HSP専門コーチ・カウンセラーのemiです。
「ちょっとした一言に落ち込む」「人の感情に影響されて疲れてしまう」──
そんな経験、ありませんか?
HSP(Highly Sensitive Person)の方は、感受性が高く共感力も豊か。
だからこそ、他人の感情を“自分のもの”のように感じ取ってしまうのです。
この記事では、感情に振り回されず、自分を保つための3つの視点をご紹介します。
「感情を抑える」のではなく、「感情と折り合いをつける」──そんな生き方へのヒントをお届けします。
なぜHSPは感情に振り回されやすいのか?
HSPは、他者の表情や声のトーン、場の空気にとても敏感です。
脳の共感システムが活発に働くため、周囲の感情やエネルギーをまるで“スポンジのように吸収”してしまいます。
例えば:
- 職場で誰かが怒られていると、自分まで緊張してしまう
- 友人の悩みを聞いた後、なぜか心が重くなる
- SNSのニュースやコメントで、気づけば気分が沈んでいる
それはあなたが「優しすぎる」からではなく、感性の受信感度が高いから。
感情の波を止めることはできませんが、波にのまれない方法を身につけることはできます。
感性を整える3つの視点
① 気づく力 ― 感情の“正体”を見つめる
感情に流されるとき、私たちは「悲しい」「怒り」「不安」などの表面の反応だけを見がちです。
しかし、その奥には「わかってほしい」「安心したい」「大切にされたい」といった本音のサインが隠れています。
まずは感情が動いた瞬間に、「私、今どんな気持ち?」「何を望んでいたの?」と問いかけてみましょう。
例:
・「怒り」を感じた → 本当は「悲しかった」「認めてほしかった」
・「不安」を感じた → 本当は「安心したい」「信じたい」
感情の正体に気づくことは、自分を理解する第一歩です。
② 選び直す力 ― 思い込みを手放し、自分の軸で判断する
HSPの方は「相手を傷つけないように」「期待に応えなきゃ」と無意識に他人軸で選択してしまいがちです。
でもその結果、心が疲弊してしまうことも少なくありません。
感情に飲み込まれそうになったときは、一度立ち止まり、こう問いかけてみてください。
「この選択は“本当の私”の望みだろうか?」
もし違和感があるなら、それは選び直すサインです。
“自分の心にYESと言える行動”をひとつでも選ぶことで、他人軸から自分軸へ少しずつ戻っていけます。
③ 動ける力 ― 感情を整える“行動”を持っている
感情に振り回されないためには、頭で整理するだけでなく、体を通して“感じを整える習慣”を持つことが大切です。
おすすめは、五感を使った小さなセルフケア。
例:
・お気に入りの香りを嗅ぐ(嗅覚)
・好きな音楽を1曲だけ聴く(聴覚)
・温かい飲み物をゆっくり味わう(味覚・触覚)
・空の色や植物の揺れを5秒眺める(視覚)
感情は「思考」でなく「感覚」で整うことがあります。
小さな行動を通じて、心の中に“安心のループ”をつくっていきましょう。
感情を敵にせず、味方にする生き方へ
HSPの繊細さは、感情を深く感じ取れる力。
感情をコントロールするのではなく、整えて共に生きることで、
その力は“感性の羅針盤”としてあなたを導き始めます。
ここで言う「感情を整える」とは、コントロールすることとは違います。
感情をコントロールするとは、
怒りや悲しみを“押さえつけて消そうとする”こと。
一時的に落ち着いたように見えても、心の奥では未消化のまま残り、
いつか別の形で溢れてしまうことがあります。
一方で、感情を味方にするとは、
「なぜ今、私はこう感じているのだろう?」と立ち止まり、
その感情が伝えようとしているメッセージを聴くことです。
例:
・怒り → 「私は大切に扱われたい」というサイン
・悲しみ → 「もう少し寄り添ってほしかった」というサイン
・不安 → 「安心したい」「準備したい」というサイン
感情を味方にできる人は、感情を“敵視”せず、
「自分を守ろうとする力」として受け止めています。
つまり、感情はあなたを混乱させるものではなく、あなたの本音へ導くナビゲーションなのです。
怒りも、悲しみも、すべては「自分を守ろうとするサイン」。
感情を責めずに理解していくことが、自分を大切にする第一歩です。
Embraceは、感情を整える力を“実践力”に変える場所です
Embraceでは、感性をただ癒すだけでなく、
社会の中で“活かせる力”へと変えていく個別セッションを行っています。
感情を抑えるのではなく、感性を整え、行動へとつなげる。
それが、あなたが本来持つ「感じる力を生きる力へ変える」プロセスです。

